-志貴side-










俺たちは総長である華子が消えて以来、毎日蘭華の溜まり場にいる。







普通は倉庫だけど、大きな家が蘭華の基地となってる。







「ねぇー、志貴ー。蘭々の言ってた秘密ってなぁにー?」







「俺だって分かんねぇよ」







「星ー、わかんないー?」







「春優、蘭々だって隠したくて隠してるんじゃないよ」







「知ってるよそれくらい。蘭々嘘つくの下手だもん」







華子の居場所は蘭々が知ってるっぽいけど、蘭々が言わないってことは言えないんだろう。







だから、俺らは言ってくれることを待つことにしてる。







ーコンコン







「はぁい?」







ドアの外には下っ端の1人、渚(なぎさ)がいた。







彼は、時期総長の候補の1人だ。







「虎羽さんがいらっしゃいました」







「虎羽さん?通してー」







なんで虎羽さんが…?







「よぉ!久しぶり」







「「「こんにちは」」」







「お前らに伝えとかないといけないことがある。明日、水鈴高校に咲山組のついた毒鬼が攻めてくる。狙いは虎翼だ」







「明日ですか!?」







珍しく、星が大声をあげた。







「虎羽さん。毒鬼って…」







「あぁ。京兄を殺した奴らだ。それに、咲山組がついてると何かと厄介だし、虎翼だけでは倒せない」







「人数は…?」







「咲山組を合わせると5000はいる」







「5000…」







5000って…無理に決まってる。







「そこで、蘭々が蘭華を出すって言ってた」







「蘭々が?」







「そうだ。お前らはどうだ?」







「僕は構わないでーす」







「俺もです」







「もちろん、俺も」







「あ、蘭華の強さは?」







「大丈夫です。いつでも華子が帰ってこれるように、安心出来るように体力づくりと喧嘩の強化はやってます」







「そうか、なら大丈夫だ。頑張れよ。それと…華子のために総長の椅子空けといてくれてありがとな」







「もちろんです。蘭華の総長は華子以外の誰でもないので」







そして、明日の戦いに向けてゆっくりと休んだのだった。