雨になれー雨になれー!







海に行きたくなさすぎて願いながらてるてる坊主を作り、逆さまに吊るした。







なのに…晴れ、いや、快晴。







まさに海日和。







天気の神様ひどいよぉ…







「うーみっうーみっうーみっ」







夕貴ははしゃいで、蘭々はどこか嬉しそうで羽夜も羽夜でにこにこしてるし、奏紀は珍しく鼻歌歌っちゃって響也は笑顔で寝てるし!







なんなんだよー!







ちなみに、私たち海行く一同は車で向かってる。







奏紀のお家の運転手さんが運転してくれてるらしい。







夜ご飯の食材も用意してくれたらしく、何から何までありがとうございますって感じ。







「つーいたぁーーー」







あ、着いたんだ…







行きたくないなぁ…







でも、どうせ連れてかれるんだから行くか。







私と蘭々は一足先に更衣室へ向かった。







意外にもめっちゃ綺麗。







私たちはしたに水着を着ていたから早かった。







「蘭々の水着可愛いね!」







「華子もね!」







蘭々は2人きりだと"華子"って呼んでくれるし、誰かいると"恋羽"って呼んで完璧に呼び変えてくれるから本当にありがたい。







ちなみに、蘭々の水着は、薄いピンクで胸元にリボンのついたビキニだった。







更衣室からビーチボールを膨らませながら出ると、そこら辺の女の子たちが一定の場所に群がってた。







中心にいるのは…響也。







別のところでは奏紀がいて、また別のとこに夕貴や羽夜がいた。







…なんかモヤモヤする。







まぁいっかー!







そう思って歩いていると奏紀のお家の運転手さんがビーチパラソルを広げてくれていた。







「食材から別荘まで用意してくれてほんとに助かります」







「ありがとうございます」







私たちが声をかけると優しく微笑んでくれた。







「いえいえ、奏紀様のお友達なんですから。こんなことはお任せください」







なんていい人っ!







私と蘭々は改めてお礼を言ってから、ビーチパラソルの中に入りボールを膨らませていた。