朝のことがまたもや夢なんじゃないかと気持ちはほよほよです。

「よかったね~嵐雅樹に挨拶出来て」
「八重ちゃん!ゆ、夢なんじゃなかったんだね…!」
「紛れもない現実だったわよ」

呆れ顔で言わないで、八重ちゃん!幸せなのよ!あんな近くで嵐くんみるなんて!!

「あ、1年は体育みたいよ」

えっ!と顔を上げるとゾロゾロと校庭に集まる1年生達が!
なんで1年だってわかったかと言うとジャージに入ってるラインが学年ごとに違うのです!
1年は緑、2年は赤、3年は青で卒業するまで色は変わらず、ローテーション。つまり3年生が卒業したら新1年生がその色を引き継ぐって感じ。

「うちら外でラッキーだったじゃない」
「う、うん!」

私たちは外で写生中なんです。2時間連続で美術だからのんびりです。

「嵐くんいるかな?…あ!いた!」

数時間前に会ったけどやっぱかっこいい!
なんていうかもう全てがツボ過ぎる!

「あ!八重ちゃん!!ここからなら写メ撮ってもわかんないよね?!」
「は?」
「写真だよ!写真!もういつどうやって撮ろうか悩んでてね、今ってバレずにこっそりいけるよね!」

八重ちゃんそんな可哀想な子を見る様な目でこっち見ないで。
わたしは真剣よ?

「そんなに撮りたいなら本人に撮らせてもらえば?それにここからだと結局小さく写るから何撮ったかわかんないよ?」

えぇーと思ってスマホのカメラを向けると…確かに小さい。どれが嵐くんかってのはギリギリ分かるレベルだ。

「ううーこれじゃダメだ…」

落胆です。
授業開始のチャイムが鳴り1年男子のサッカーが始まりました。
しばらく体育はサッカーの様です。
嵐くんのかっこよさにもうさっきまでの残念な気持ちは忘れました。


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最近の学生さんは写生会的なのあるのか…?