「やえちゃん…死ねる…」
「そんな簡単に死ねないわよ、っていうかよかったじゃない。本人から挨拶するって言ってくれて」

名前教えておきなさいよ、っと八重ちゃんはあたしを嵐くんの方に向けて背中をドンっと押しました。
よろけて嵐くんの前に出て来てしまったの!出て来てっていうかもう目の前にさっきから居たんだけどね…!

ちらっと、首を上に向けないと見えないからちらっとも何もなんだけど嵐くんを見ると…すっごい優しい顔でみてた!
うわー!やー!恥ずかしいー!!
後ろからは八重ちゃんが「ほら、さっさという」って急かす声が聞こえます。

「ああああの!小島雛です!」

ペコっていうかガバッとお辞儀しました。
頭上からクスクスっと笑う嵐くんの声が。恥ずかしくて顔あげられない!もうどっちが先輩後輩か分からないよ~!

「嵐雅樹です。よろしくお願いします。雛先輩」

…!!!!!!!ひ、雛先輩?!い、いきなり名前呼び?!
びっくりして開いた口が塞がらない!
っていうか反射的に嵐くん見ちゃったけど…!見ちゃったけど…!うわーーっ!!
キラキラしてるよー!!
かっこいい…!

「あら、チャイム」と八重ちゃんが言ってわたしは引きずられながら教室に行きました…心臓バックバクで全然引きずられてるのとか気付かったけどね!
嵐くん嵐くん嵐くんー!!!
引きづられながら手をブンブン振り回しましたよ!!
暴走大興奮です!