葵葉は元姫で元姫のトラウマは葵葉①




「…今日は、
見つかりやすい仕事をしてしまった…」



帰ろ。
朔空にも心配かけているしな。


ずっと気になっていたけど、
どうして私の名前が
アイスローズ姫と一致しないのだろう?

青がかった髪は、長くて、
姫と言われているから、
一人称は族の前でも「私」…
強者がハッキングすれば
出てこなくもないと思うのだが…


…過去のことや苗字は
ハッキング最強のアイスローズである私が
厳重にロックしているが、
「葵葉」と言うのだけは
全国3位くらいに入るハッカーなら
見つけられると思うのだがな…


「ねぇ、聞いた?
今日もこの街でアイスローズの
目撃情報があったらしいよ。」

「え、嘘!私一回助けられたから
お礼したいのに…」

「なかなか会えないでしょうね…」

「ほとんど毎日
目撃情報が、夜になったらあるのに
どうして会えないのか、
不思議でたまらないよね。」

「アイスローズ姫ってさ、
この世のものとは思えないくらい
強くてかっこいいのに
綺麗なんでしょ?
…美しくて強い、
妖(あやかし)かもよ…?」

「それでも、
族とか何もわからないくらいの、
わたし達でさえ知っているくらい
有名なアイスローズ姫って…」

「「憧れる〜!」」



…勝手に憧れてろ。
外見と先入観でしか
人を見れないのか…?

妖って…
どこがだ!?

そんなに会いたいなら
今隣を通っている、
怪しいくらいフードを被った女にでも
話しかけてみろ。
…シラを切ってやるから。