「トントン」

ドアを叩く音がした。

「はい」と返事をすると、ドアが少し開いて、その隙間からおばあちゃんの顔が覗いた。


ーふぅ、思い出さなくてすんだー


「朝ご飯できたわよ、おりてらっしゃいよ」

「はーい」

わたしは急いでカーテンを開けた。

眩しっ!

夏よりは柔らかいが、真っ暗な部屋のカーテンを急に開けると目がチカチカするような光が、いっきに差し込んでくる。

さっきの夢とは真逆。

光に目が慣れてくると、少し柔らかくほのぼのと照りつける太陽が見えてくる。

今日はいいお天気だ。

そんなことを思いながら、急ぎ足で階段を降りていった。