おばさんは笑顔で手を振ってくれている。

はぁ……

結局琉聖との最後は喧嘩か……

ちょっと残念だった。

いや、すごく嫌だった。

俯いてそんなことを考えていると、ぽんっと何かがわたしの膝に落ちてきた。

それと同時に車が走り出す。

膝に落ちてきたものを見ると、それはお守りだった。

縫い目は大きくてジグザグだけど、大きな字で芽依と書いてあった。

琉聖がつくってくれたのかな

少し胸があたたかくなった。


「芽依ーー‼︎大事にしろよーーー‼︎」


琉聖の大きな声が後ろから聞こえる。


「うん‼︎一生大事にするーーー‼︎」


わたしも大きな声で叫び返す。

琉聖はまだ車の後ろをついてきていた。


「おばあちゃん、ちょっと止めて」


わたしはそう言っておばあちゃんに車を止めてもらうと、車から降りて琉聖のところへ駆け寄った。