誰の声も聞こえなくなった。
いつもの楽しいリビングはどこかシーンと静まり返っているようだった。
きこえるのは、テレビの音だけ。
また涙が出てくる。
取り残された。
わたしにはお母さんがいない。
お父さんもいない。
ーわたしだけ取り残されたー
そんな感情が湧き出た。
涙が止まらなかった。
今までこんなことなかった。
今までで一番泣いている。
今までは、泣いているといつもお母さんが優しく慰めてくれた。
いつもお父さんが一緒に遊んでくれた。
でも、その二人はもういない。
もどってくることはないー。
考えれば考えるほど涙が止まらない。
テレビから流れてくる悲しい音楽の歌詞が、まるでわたしのようだった。
ひとり取り残された苦しい、悲しい、寂しい、そんな歌詞だった。