昨日はあの後男がすぐに帰った。

まったく人の事情も知らないで言いたいことばっかり!

京子の心は荒れていた。


「京子ー。昨日の合コンどうだった?」

沙奈江がなにか企んでるみたいにニヤニヤしてコッチをみてくる。

そっか。沙奈江はあの後仲良くなったのを私に自慢しようとしてるんだな。

「何にもないですよ!それくらいわかってるでしょ!」

「違うよー。あの後、慶介君と二人っきりだったんでしょ?何かあってもおかしくないじゃなーいー?」

あのやな奴は慶介っていうのか

「ありません!あんな男は知りません!」

「あっそ。なんかあったみたいだけどさ、まあいいや。今日の夜にご飯食べに行かない?あんたが好きなフランス料理だよ」

「いく!」

「じゃあ決まりね!今日の夜7時にね」

久しぶりのフレンチだー!
京子の頭はすっかりフレンチ一色に染まった。



「沙奈江ー。な ん で この男がいるの?」

「あぁ、実は慶介君もお腹空いてるって言ってたからさ、ちょうどいいと思ってね!」

沙奈江を3回手に書いて食べてやった。
これってそういう使い方だっけ?

「実はさ、慶介君が沙奈江と話したいこと後あるっていうから来たんだよ。そうだよね慶介くん。」

コクンとうなづく男。

「あっこの後合コン出会った子と会うんだった。ごめんね京子」

「あっ!ちょっ!沙奈江ー‼︎」

はめられた。沙奈江のトラップにまんまとはめられた。
この男と二人っきりのフレンチなんかいやだよ。

「あのさ....」

「はい。なんでしょう」

この男でも男の人と二人っきりは緊張してしまう。

「これから暇?」

「暇ですがね…」

「じゃあちょっと行きたいとこあるんだけどそこいこう。」

手を掴まれ連れて行かれる。
せっかくのフレンチが...

「あっそうだ!会計は?」

「俺が全部払った。」

そういうことか沙奈江ー!


「ちょっとどこ行くんですか?手、、手痛いです。」

「あっ…ごめんね。大丈夫?」

手をさすりながら心配してる顔を近づけながら行ってくる彼に顔が赤くなる。

そこからは手も離して歩いて行った。
すると

「ついた。」

すごく大きな家が前に立っている。

「ギョエェェェ‼︎」
驚きが声にでてしまった。

「ここって慶介くんの家?」

「違うよ」

「ふぇ?」

今度は気が抜けて声にでてしまった。

「ここは友達が海外にいるからその間に貸してもらってる…」

「そっかぁ。びっくりしたよ。すごい慶介くんお金持ちなのかと思った。」

「.......ふふ..........」

慶介くんが笑ってる。あんまり大きく笑わないけどな、なんかかわいいな。
そんなこんなで慶介くんの貸してもらってる家の前にきた。