君がくれたもの



「ねえ、七海まだなのー?もう30分過ぎてるよー?」
『ごめんって!!まって!!もう少しだけでいいからー!!』



高校に入って私は四度目の恋をした。
今までの恋はどうだったかって?


もちろん成功したためしなし!
何をしても平均な私が、
周りの可愛い子たちに叶うわけない!


そう思っていつも気持ちを伝えるのを
やめて心の中にしまってしまう。


私なんかが好きって伝えても
迷惑なだけだよなあ。


なんて頭の中で何度も思いを巡らせて
自己嫌悪に駆られる。


そんな自分が大嫌いで、
同時に周りの子がすごく羨ましくなる。


でも!今回はネガティブはやめよう!


好きって伝える!!決めた!!


好きになった高岡くんは
皆は陰キャラって言ってるけど、
私はそうは思ってない!!


きっかけはフォークダンスの練習。


あまりにも冷たい手に驚き思わず
冷たっ!と声を漏らしてしまった時のこと。

あっ……ごめんね?と軽く微笑んだ
彼の笑顔があまりにも可愛くて、
普段とのギャップにやられた私は
一瞬で魔法にかかったように恋に落ちた。


今回は絶対好きって伝えたい!
相手にも好きって言わせたい!


そんな思いから毎朝早起きし、
軽めのメイクや髪の毛のセットを
念入りにすることを始めたのだ。



『ごめん!龍也!お待たせ!』
「もー、本当におっそい!……て、え?」
『あーーー、龍也さん。さては気づいちゃった感じ?(笑)』
「……ねえなんでメイクしてんの!」
『ふふふ、いい感じ?♡』
「だからさ。なんでメイクしてんのって聞いてんの!!」
『えーーー、絶対言わない?』
「言わねえから。つかお前の秘密、言ったことねーだろ?」
『それはそーだけど(笑)』
「………で?」
『………実はさあ…』



何事も隠せない性格が仇となり
私は龍也にすぐにばれてしまった。


こうして彼のことを話すと、


「ねえ、七海まじで言ってる?高岡のこと好きとか言ってる人初めて出会ったわ。」
『ちょっと待って!!!なんで龍也、高岡くんのこと知ってるの!?』
「だって俺クラス同じだし!」
『はっ!?ほんとに!?えっ、、、絶対、、、もてる、、よね?』
「七海アホなの?(笑)そんなわけねーじゃん(笑)あいつすげーシャイだし女関係なんて聞いたことないって(笑)」
『うっそ、めっちゃもてると思ってた。だってすっごいかっこいいからさあ…。』
「ほんと、一人目の時から思ってたけど七海、趣味悪すぎ(笑)」
『もう!ひどい!龍也がモテるからって!調子のんな!くず!!!』
「は!?俺は真実言っただけだっつの!!!しかもあいつって噂だと……」
『あーーーーっもう嫌!言わなきゃよかった!もう龍也なんて知らない!置いてくからね!!!』
「はあ?迎えに来てやったの俺だし。」
『なんか言った!?(怒)』
「ううん、なんでもないですごめんなさい。一緒に行ってもよろしいですか。」
『……ついて来てもいいよ。』



こうして口論になりつつも
私たちはいつものように仲良く(?)
学校へと向かった。