くされ‐えん【腐れ縁】
離れようとしても離れられない関係。
私、松浦七海は
まさにこの言葉通りの相手、
橋本龍也に毎日悩まされていた。
「ねえ!七海ちゃん!
これ龍也くんに渡して欲しい!」
「私も私も!!!」
「龍也くんって何の食べ物好き?!」
女子が押し寄せてくる、
なんてことは正直日常茶飯事。
ただ単に私たちは小中高が同じで
家族ぐるみで仲がいい、
それ以上でもそれ以下でもないのに。
お互いにそう思っているし悩みだって
私は龍也に一番に相談する。
そう、もちろん恋の悩みも。
「ねーえ!七海!教科書貸して!英語!」
『もうまた龍也忘れたの?今週何回目だと思ってるー?』
「わりいって(笑)だって他の奴に頼むのアレだしさあ。」
『うそつけ(笑)龍也に貸してくれる子なんてたくさんいるよ?(笑)』
「……………」
『ん?どした???』
「……いんだよ」
『え?なんか言った?聞こえない。』
「…いや、なんでもない!じゃあね。ありがと!」
龍也も大変だなあ。
教科書すらまともに借りれない位、
騒がれちゃうんだもんなあ。
あ、そういえば龍也さっき何て言ったんだろ?
うーん…まあいっか!
さてと、授業の準備!!!