『夏鈴!!おい待てよ。こっち向けよ』
『やだ。話して』
泣いてるところ見られたくない。助けて…!
『夏鈴…?おい、夏鈴じゃねえか』
『蒼月…?』『ごめん空翔。離して』
『ちっ。なんだよお前ら』
鳴り響く上履きの音。 ドサッ。
『ちょ、夏鈴大丈夫かよ』
目の前が白くなって気がついたら保健室にた。
『いったぁ~。』
頭がズキズキする。なんだろう
『大丈夫か?ビックリしたよ本当』
『え。蒼月?!なんでいるの…』
『あら~?暁くんが運んできたのよ??』
『え…』カァっと真っ赤になった私は恥ずかしくなった。
『…たく。心配させんなバカ』
『空翔となんかあったの?お前』
『ううん。なんでもない』
バッ!!蒼月はわたしの手を取った。
『本当になんでもないってば……』
『どうせ、星菜の事じゃねえの?』
…いつもそう。蒼月はなんでも当てる。
大切な幼馴染みで、冷たいくせに優しい時は本当に優しい。
『ううん。本当に大丈夫だから』
『どうせ泣くんだろ?泣くなら胸貸す』
なんでもいつも、空翔じゃなくて蒼月なの。どうして。なんで。なんで……
今までの想いが全て涙に変わった。
