「 ラストナンバー
『Lost』 」
静まり返った会場に光が射し、ライブハウスが一体となる。

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「おい麗路!
そろそろだぜ?」
扇風機の風が微量の汗を冷やし、心地よい睡眠であったのだろう。
青年は起き上がると、まだ寝足りないような表情をしつつも淡々と支度を始める。

神社の木の蝉がより一層暑さを引き立たせる。
そんな中青年達は気だるそうに歩いてた。
しばらく歩くと黒塗りの高級車が其処にはあった。
青年達は車に乗り込み、煙草を吹かしすと何処かへ向かって行った。

「ジルさぁん…
今日も予約たんまりでしたねぇ…」
助手席のサングラスをかけた金髪の男はふざけた口調で話しかけた。
「マジだりぃよ…!
ったくこれで店長の野郎呼び込みばっか行ってまともに働かねぇのが毎度毎度だろ?
働かねぇなら忙しくすんなよ、どちくしょう。」
運転席では顔立ちの整った赤と黒の
ツートーンの男が綺麗な声で喋っていた。
「まーあのジジィも財源だけ確保できればいいんですからね笑
鬼畜なものですよ笑」
助手席の青年は笑い飛ばす。

彼等はバイトに行く道中みたいだ。