度重なる 仕打ちに 耐えかねて 苓子がとった行動は
無差別殺人だ。
いや、無差別と 捉えるのは  男性主導の 捜査能力しかない
警察介入のせいでしかないのだが。


殺意の標的は  あくまでも  一人。
だが、その一人には 多くの味方がいる。
その味方を産み出した(容認した)この現世全てを
敵に 回した。


あとに咎められる事を 恐れなくなった
猟奇的殺意実行者には   
障害は何一つ ない。
ただ、己の思いついた悪事の成就を
ただ ひたすら願うだけで
存在の価値を 見い出し
後悔のジレンマの呵責への危惧から
放免されていた。