ブルブルブルブル、ブルブルブルブル。
ポケットの中で電話が震え始める。
「よっ、どうしたんだ」
「どうせ家でゴロゴロしてんでしょ。そんな翔に耳寄りな情報」
電話の相手はすでにクラスに溶け込んだ美紀である。この時代、連絡を取ると言ったらメールで済ませることがほとんどなのに美紀だけはずっと電話をしている。
前に電話するのってめんどくさくね?って言ったらメール打つほうがめんどくさいじゃんと言われた。
どっちもどっちだと思うが別に連絡の取り方なんて気にしてないし、連絡事項が伝わればいいのだから電話でも構わない。
「今、未央ちゃんたちと海でも行こうって話になってたんだけど翔たちも誘おうと思って」
つまり荷物持ち部員を募集しているってことだな。
「俺はパス。どうせ荷物持ちする奴がいないから古佐田が誘おうって言ったんだろ」
「そんなんじゃないよ。未央ちゃんが2日間も行くなら女子だけじゃ危ないかもって言ってさ」
相田ってそんなキャラだったか?てっきりどうにかなるだろみたいな楽観的な思考だと思っていたのだが。
まぁ古佐田がいるから大丈夫だとは思うが危ないのは危ないか。いつも古佐田が二人と一緒に行動してるとも限らないし。