転校生は幼なじみ。

「ここが食堂。少し古めの建物だけど食券があるぐらいはハイテクかな。」
「それってハイテク?」
人の話すのは久しぶりだけど全く嫌な感じがしない。
むしろ懐かしさが込み上げてくる。
やっぱり俺は平山さんとどこかで会ってる。
もう疑問とかそんなあいまいなものではない。
「あのさ、平山さん。俺とどこかで会ったことある?」
「さぁ、どうでしょう。」
この顔、絶対何か知ってる顔だよな。
もしかして自己紹介のときの顔はフェイクで心の中で嘲笑うのが趣味なのか。
もしそうだとしたら人格終わってんな。
人のこと言えないし、平山さんのことを知り尽くしてるわけじゃないしな。
それはとりあえず置いとくとして昼飯にするか。
「えーっと今日は何食べるかな。チャーハンもいいけどここは豚骨ラーメンにでもしようかな。」
「じゃあ私もそれにしようっと。」
財布の中から500円玉を取り出し発見器へと入れる。
財布の中にはお札が一枚しか入っていないのだが、安さがモットーの食堂ではそんなの気にする意味がない。