「ひ、ひらやま、みきです。えっと、その、よろしくお願いします。」
 入ってきたのはものすごく大人しそうな、そしてテンパって名前まで噛んじゃってるのがなんか可愛らしいような子だった。
真っ黒で綺麗な髪を肩あたりまで伸ばしており猫耳をつけたら似合うだろうなと思っていた。
 先生が黒板に書いた文字からすると平山美紀と書くらしい。
 「平山の席は花宮のとなりな。一番後ろの窓側の席。」
 おどおどしながら平山さんはどこの席なのかキョロキョロしている。
俺は仕方なくここの席だと指をさす。
 そのときだ、平山さんの顔が少しほころんだ……ような気がした。
 俺の気のせいかもしれない、なにせ今日あったばありなのだから。
 ただなぜか今日初めてあった感じがしないのだ。
ものすごく懐かしいような……安心するような……そんな感じだ。