「久しぶりねー翔君と話すのも。いつの間にかこんなに大きくなっちゃって。」
 「いやいや、それを言ったら美紀ちゃんもでしょ。昔もだけどいつのまにかこんなにきれいになっちゃって。」
子供にとっての8年と大人にとっての8年の差はこんなにもあるんだな。
大人にとっての8年はつい最近のように思えるし子供が成長していてあぁもう8年も経っているんだなと思えるぐらいだ。
それと比べて俺らにとっての8年は大きな差だ。短い人生の半分で小学3年生が高校2年生になっているのだ。2×2=4の時代からsinxの導関数はcosxの時代になっているのだ。レベルが違う。
「そういえば平山さん。ここの近くに新しい温泉ができたのよ。夕飯の後にでもそこに行ってみない?」
「いいわねそれ。向こうの方はここと比べてすっごい都会だったんだけどこういう安らぎの場所がなくてねー。そういえばきいてよ花宮さん……」
そういえば美紀ちゃんのおばさんってうちの母さんとよく気が合うんだっけ。