生意気くんと照れ屋ちゃん

ボウリング場に入って申し込み、私たち4人と少し離れた場所にいる希愛ちゃんと蒼斗くんはボウリングを始めた。





ーガコーン





「また?今日4回目じゃない?」





「普通ですよーw」





「朔上手すぎー!あー!悔しいっ」





朔、本日4回目のストライクです…w





朔の従兄弟も上手で本日2回ストライクとっております。





それも2人揃って1ゲーム目で…





ちなみに、朔の従兄弟は1つ上なのです。




でもでも!私とるりあちゃんはスペアを1回取ったもん!





「先輩、軽いボールじゃなくて重いボール持って、床にちゃんと転がすんです。先輩の場合、ボールが軽いから最初浮いちゃうんです」





「じゃあ、重いの持ってくる!」





そして、重めのボールを取りに行き戻ると私の番だった。





よしっ!次こそは…!





意を決してボールを転がす。





ーガコン





…端2つ残った。





「さーくー!残ったー!しかも端2つだよー!」






「先輩、持ってきたボール借りますね」





「うん…」





ボールが戻ってきて朔が持つと何故か注意された。





「せ、先輩、このボールさすがに重いですよwもうちょい軽いの持ってきましょうよw」





「だって、朔、重いのって言うから1番重いの頑張って持ってきたんだもん…」





「うっ……」





ん?今うなったよね…





「朔?大丈夫?今うなってたけど」





「いや、大丈、夫…です」





じゃあ、なんで、後ろを向いてんだか…





「朔ー?なんで後ろ向いてんの?それに耳まで真っ赤だけど…?」





「だぁー!もう!先輩なんでそうも鈍感なんですか!」





え、なんで怒るの…





てか!





「私、自分の身の回りのことは敏感だよ!」





「どこがですか!耳まで真っ赤とか言うし1番重いボール持ってくるし……先輩はどんだけ可愛いんですか!?」





…はい?





「もっかい言って?」





「だ、だから…その、せ、先輩が…か、可愛すぎて…俺がやばいんです…」





朔よ…なんてことを…





「か、可愛いわけないでしょ!」





「まりあちゃん、顔真っ赤でそんなこと言われても説得力なーいw」





「おいおい、2人とも、俺らいるよ?」





わーすれーてたーw





「ごめんなさい…」





「すんませーん」





「ねーぇー、偵察はー?」





また忘れてましたw





「あ、今からゲーセン行くっぽい」





「よし!キリがいいからゲーセン行くか!」





私たちも希愛ちゃんと蒼斗くんの後ろにバレないように付き添ってゲーセンに向かった。





またもや、存分に楽しんでしまい、今度は見失った。





「もうっ!まりあちゃんも朔くんもはしゃぎすぎだよ。みうしなっちゃったじゃん」





「ごめんー!」





「すんませーん」





ひとまず探そうと思い、近くの公園に入ろうとすると誰かに口を塞がれた。





「んっ!?んんー!」




「静かにっ」





「んー!…ぷはぁ」





口を塞いだのは朔で目の前にはるりあちゃんと朔の従兄弟がいた。





「朔!なにす…」





「いいから黙ってください」





「ひゃっ…!」





朔の野郎め…今私がどうなってるかなんて知らない!





なんたって私、朔に後ろから抱きしめられて軽く口を塞がれてますから。





かと思いきや、耳元でボソッと話してきた。





「ちょっ、どうしたの!?」





「まりあちゃん!あれあれ!」





あれってどれさwとか思いながらみんなの目線の方を向くと…





「希愛ちゃんっ」





そーっと耳を澄ませると蒼斗くんが喋り出した。





「あの、さ…俺が言いたいから言うだけなんだけどね」





「うん?」





「えと、俺ね…希愛があの日落し物した時から…希愛が好きだった…」





「え」





こここここここ告った!!





「よ、よかったら俺の彼女になってください…!」





「あ、蒼斗くん…うちもね、蒼斗くんと初めて会った時から、す、好きで、した…!だ、から、うちでよければ…」




「よっしゃぁー!」





うきゃぁー!!





希愛ちゃんよかったじゃん!





「るりあちゃん!今日、このメンバーでパーティーやろっ!」





「いーね!」





無事、希愛ちゃんと蒼斗くんは恋人同士になったのだった。