「ありがとうございました。さよならー」





先生に挨拶をして、部活を早退した私の目の前には…おなじみの彼。





無視して素通りしようとすると道を塞がれた。





右行って左行って…また右、左……





「あー!もうっ!何っ!?」





「せーんぱいっ!やっぱり今日も可愛いですね!」





「はいはい、そりゃどーも」





そんなこったろうと思ったし、これで家に帰れる。





なんて思ったのは束の間…





「なんでまだ道塞いでんの?」





「先輩、メアドです。どうぞっ!」





そういって、渡されたのは小さな紙切れだった。





そこには、番号とメアドが記されていた。





「これ、朔の?」





「はいっ!てか、俺のじゃなかったら誰のなんですかw」





笑いながら言う彼は可愛らしい。





太陽みたいで、でも、どこか落ち着くような優しい笑顔の持ち主。





そのわりには、無邪気な顔で…





って、私何見惚れてんだろ…





「おーい、朔ー!先生にバレたらめんどくせーぞー」




「おう、今行くー!なんかあったら連絡してくださいねー!もちろん、暇なときでも夜中でも朝っぱらでもいいですよ!先輩なら可愛いし大歓迎なんでね」





そう言い残して、朔はみんなの元へ駆け寄った。





きっと、朔のこと好きな子はこんなこと言われたらきゅんとかなるんだろうけど、私は別に何もない。





てか、正直どうでもいい。





なんて思いながら帰っていた。