「希愛ちゃんどこだー?」





「うーん…あ、いた!」





「え?どこどこー」





「ちょうど正面」





「あー、いたー!」





私とるりあちゃんは希愛ちゃんの元へ向かった。





「希愛ちゃぁーん」





「来たよー」





「ん?えっ!?マジできたのねw」





「当たり前っ!」





「希愛ちゃんの応援はもちろんだし…ね?」





「んで、その男の子はどこにいるのさ」





希愛ちゃんは黙った。





そして、じーっとどこかを見ている。





目線をたどってくと………





「「水鳥(みどり)中学校…?」」





「う、うん」





希愛ちゃんは視力悪いんだけど、まだ試合始まらないからコンタクトをしてるらしい。





「まりあちゃん!いたよ!」





「どこにっ!?」





「ほら、あれ。今いじられてる人」





「あー!えっ、イケメンじゃん!」





「そうなのっ!それで、その男の子の左側にいる子がそんときに一緒にいた子」





「ほーほーほーほー」





希愛ちゃんはなんとイケメンを好きになったのだ。





ただでさえイケメンに目がないのに、これから話したりするとき大丈夫なんだろうか…





ふと、目線を戻すといつの間にかいなかった。





「あれ?いなくなった」





その直後…






「おーい!」





振り向くと可愛らしい笑顔で希愛ちゃんの元に駆け寄った。





「君、この前落し物した子でしょ?」





「え、うん」





「俺、蒼斗(あおと)!よろしくな!」





「うん、よろしくね。うちは…」





「希愛、だよな?」





「えっ、なんで知ってるの?」





「俺希愛のことなんでも知ってるもん♪」





「はっ…?」





「ハハッ、なんちゃってー!」





「びっくりしたぁ…」





希愛ちゃん顔赤いですねぇ…






このやりとり面白すぎる…!





「ほんとは希愛の友だちが希愛ちゃんって呼んでたから知ってるの」





「あ、そうだったの」





「うん!」





希愛ちゃんのタイプは可愛らしい子。





この男の子はきっともろタイプ…なはずw





「希愛ちゃん、蒼斗くん借りてくね」





「あ、うん…?」





「え?俺っ!?」





「そうそう」





私とるりあちゃんは蒼斗くんを連れて人の少ないところに行った。





「単刀直入に聞くね?」





「?」





「希愛ちゃんのこと好きでしょ?」





「えぇっ!な、なんでそれを…」





こやつめ…バレてないとでも?





「あのねぇ、希愛ちゃんに対して接し方がもうね。るりあちゃん」





「うんうんうんうん」





「ほんとバレバレw」





「うっ…」





「あ、まりあちゃん!あれもあったじゃん『俺希愛のことなんでも知ってるもん♪』ってやつ」





「あー!可愛い顔して小悪魔だったわ」





「いや、だって…希愛ってさ、自分の恋愛ごとになると鈍感そうじゃん?俺そういうの顔でなんとなくわかんだよね…」





「当たってるかもねw」





たしかにイケメンに目がないけど男子が苦手っぽい。





見てるとなんとなくそんな気がする。





「まぁ、さっさと告っちゃえ!」





「そうだよ!早く告らないと後悔するよ?」





「なんで?」





「そんなの、希愛ちゃんに彼氏できそうなんだよね」





「ま、まじかよ…」





ってのは、嘘ー♪♪♪





るりあちゃんも話がわかったようで…





「うん。希愛ちゃんは最近好きな人できて、その人のこと好きじゃないんだけどね」





「じゃあ、告られても断ると思うけど…」





「いやー、それがさ、その男子押しが上手くてね」





「え、やばいじゃん」





かかったぁー!





楽しっ!





「だから、早めに告ったら?」





「頑張る…」





「うん!」





[選手の皆さんは開会式を始めるので下に降りてきてください]





あ、放送かかった。





「じゃ、がんばっ!」





そして、私とるりあちゃんは希愛ちゃんの席の方に戻った。