生命が羽ばたくとき

全身に寒気が通る。



「咲っ!!!!」



焦った声に、私は振り返る。



そこにはスウェット姿の光輝が、ペットボトルを持って立っていた。



光輝は私に近づくと、油断していた遊佐くんを片手で突き飛ばす。



「お前、咲に何をした?」



遊佐くんの胸元を掴み、殺気が含んでいる声で脅していた。



「いや、質問を変える。何をしようとしていた?」



「その、ハジメテを奪おうと…」



光輝の殺気に負けた遊佐くんが、私にしようとしたことを白状した。