生命が羽ばたくとき

いつもより腕を引く力が強いと思い、私は顔を上げた。



しかし視線に入ったのは帰り道ではなく、どこかのコンビニの近くの路地裏。



「何をやっているんですか……?」



私は遊佐くんに問い出した。



しかし遊佐くんは口を開くこともなく、代わりに私を壁に打ち付けた。



背中が地味に痛い……。



場違いな思いに、私は心で小さく笑った。



「ねえ、有賀さん。僕が君のハジメテを奪っちゃうよ?」



私の側に手を置き、耳元で囁かれた。



これがいわゆる壁ドン、ですかー。