生命が羽ばたくとき

店を出ると、冷たい風が私に襲いかかる。



学校では衣替えもしたし、そろそろ修学旅行の時期かな。



今年は、楽しめるかな…?



少しの期待を胸に、私は帰り道を歩く。



「待って!」



後ろから今さっき仲良くなった遊佐くん。



「夜も遅いし、僕が送るよ」



遊佐くんは名前的にチャラいと思いがち。



でも、遊佐は名字で、名前が涼人くん。



「大丈夫です。家もすぐそこなので」



私は遊佐くんを押し切って、再び歩き出した。



白い一軒家が見えると、ビタと立ち止まった。



「さあ、明日も頑張ろ」



声に出し、私はバチンと頬を叩く。



頑張ろう。



私は気合いを入れて、家の中に入った。