生命が羽ばたくとき

全身が映る鏡の前で、私は生まれたばかりの姿のままで立った。



お腹や背中、身体中についている打撲のあとや、切られた後などの傷。



少し膨らみのある胸。



これを見る度に、何度でも思うんだ。



“男に生まれたらよかったのに……”



男だったら、反論できる勇気を持てたかもしれない。



男だったら、あいつを殴る事だってできるかもしれない。



でも、やっぱり現実を見てしまう。



こんな私だから男でも女でも、何も出来ないんだって。