聞いた時、私は絶対に頭にハテナを浮かべたな。



だって今でもわからないのだもの。



「さーき、今日さ放課後デートしようよ」



「いや、君には和希がいるだろ」



「和希は今日、用事があるって言ってて……」



萌に、萌に犬の耳と尻尾が生えているように見える……!!



耳と尻尾が同時に垂れ下がって、シュンとしてる。



「お財布と相談してからね」



私は鞄から黒色の財布を取り出して、中身を机の上にばらまく。



「こ、これだけ……?」



「うん、無理だね」