生命が羽ばたくとき

それに気づいた萌が、尽かさず美望と樹を茶化す。



まあ、お互い小学生の時から両片思いだったもんね。



自分で気づけないくせに、周りはみんな気づいていたよ。



私は樹の胸に拳を置いた。



「美望を泣かせたら殴るよ?」



「勿論泣かせたりはしねーよ。それにお前が俺を殴れるか?」



殴れる訳がない。



なんせ樹は、高校生にして柔道黒帯。



未来の柔道日本代表、なんて言われてるんだから。