私にはできないそんな姿に、憧れを感じた。



自由の翼は、片翼の鳥には広げることはできない。



「へーい有賀ー、授業を聞こうじゃないかー」



「無理ですね」



1人だけ横を向いていた私に、だるせんが声を掛けてきた。



少し、少しだけでも、自由という夢を見させてください。



その時、木にサラッと風が吹く。



暖かくもあり、冷たくもあって。



私たちの青春を変える、夏が訪れる。