生命が羽ばたくとき

「咲おっはよ」



ガヤガヤといつも通りに騒ぐ教室。



私はお気に入りの席に座り、好きな読書をしていた。



そしていつも通りに、部活を終わらせた友人、萌がやってくる。



「おはよ」


読み途中の本に栞を挟み、萌に作り笑いを向けた。



「んもぉ、素っ気ないんだから」



萌は名前通りに育ったと思う。



漢字の中には、明るいという字。



萌はいつでも元気で、明るい人。



それが彼女の長所と言っても問題ない。