私がキッパリと断った時だった。



「咲、携帯なってるよ?」


ポケットに入れてある携帯が、震えだした。



相手はわかっている。



携帯を開き、メール画面を見た。



「ごめん用事があるから絶対に無理」


携帯をポケットにしまい、萌をおいて移動した。



片翼の鳥は、ずっと昔から籠の中に囚われている。



鎖で縛られ、鍵をかけられ。



鳥はもう、飛ぶことは出来ない。



ーー自由を見ることは、できない。ーー