世界が私と光輝しかいないような、そんなふわふわとした気分。



キスって、こんな優しいものだったっけ?



キスってこんなにも幸せになれるのだっけ?



「覚悟しています…!」



少し構えた私の姿に、光輝は腹を抱えて笑い出す。



私がポコポコと光輝の胸を叩いていると、また腕を引かれて今度は先程よりも長い時間、私たちの唇は合わさった。



「好きです……」



私はそっと囁いた。



「こっちはもっと、好きだから」



そんなやり取りに、私たちは一緒に笑い合う。



私の手から離れた光輝からの手紙。



“好き”



大雑把で、愛おしい文字が私たちを祝うように、ひらひらと舞っていった。