生命が羽ばたくとき

私は私で、その言葉は嬉しかったが、恥ずかしさが勝っていた。



「い、いつからそんなに甘々になったの、よ……」



「甘々な俺、嫌い?」



「そんな、滅相もございません……」



私は首を横に振り続けた。



「それじゃあ咲の気持ちは?」



「だから言ったじゃん……!!」



「俺バカだから、直球じゃなきゃ伝わりませーん」



わざとらしい態度に、私は少しムッとなった。



1人だけ余裕ぶって。



だったら私も仕返しだ。



私はたった2文字を待ち続けている光輝の頬に、唇をそっと付ける。



「好きです。こんな私でよければ、よろしくお願いします……」