生命が羽ばたくとき

だるせんなんて物音も立てずに、人数分の椅子を用意しちゃってるし。



「咲、咲、咲ぃー!」



私に飛びついてきたのは、とても以外で、それでも理解出来た人物だった。



「未桜……」



「あたしは咲より身体に残る傷は少ないし、咲よりも軽いものだよ」



肩につく黒髪ボブを揺らし、私の心にあの頃の記憶が蘇る。



「勝手にそんな事言わない」



小6の時、私は未桜の身体の傷に真っ先に気づいた。



「例えそれが本当だとしても、そんなことは無い」



両親に虐待されていると、私に相談してくれた。



「心に残った傷は、みんな一緒。忘れることさえ許されないその重さは、みんな一緒」