生命が羽ばたくとき

私の体を抱いている人。



私の体に寒くないように、毛布を引いてくれた人。



通りすがりの野次馬は、みんな手袋やマフラーと防寒用具を身につけていた。



「咲!咲!意識を取り戻してよ、さきぃ!!」



ああ、これは萌の声だ。



私の側にいると思うけど、今は力が入らない。



起き上がることも出来ないや。



「ごめん、ね……」



ホロリと1粒涙が落ちる。



その声が最後だった。



「ねえ、ごめんねって何?これからもあたしたちは一緒でしょっ?ねえ咲!」



泣き叫ぶ萌に何も出来ない私を、許してください。



バタリ、私は本当の人形のように動かなくなった。