生命が羽ばたくとき

今だけではない。



この時を逃せば、ずっと、一生隣に咲は戻ってこない。



そう考えると、俺はいてもたってもいられなかった。



「咲の家、咲の家を教えてくださいっ」



「それは無理だな。これは俺の仮説に過ぎない。証拠はどうする?」



そんなの俺の中にはない。



証拠なんてどうでもいい。



「咲を救うだけが俺の望みですっ!」



「俺なんかじゃない、“俺たち”だ」



そう言って立ち上がったのは、照れるように鼻下を擦った和希。