扉を開けると、飛び出してきたのは私の口を塞ぐ大きな手のひら。



お気に入りのブレザーの制服を、乱暴に脱ぎ捨てられ部屋着に着替えさせられる。



そしてあれや、これや、と文句を言われ私がストレス発散の道具となる。



別にいいんだ。



私がストレス発散の道具になったのは自分のせいだって、後悔している姉じゃなくて。



小学校高学年に上がって、優雅に楽しんでいる妹じゃなくて。



何の取り柄もない私で。



だって私は特別失うものなんて何も無い。



就活頑張れ、姉ちゃん。



学校生活楽しめ、妹。



悪魔の訪れは、地獄の始まりは、これからだ。



私はキュッと唇を噛み締めた。