生命が羽ばたくとき

扉を開き、外に足を踏み出す。



「さようなら、サマーリバーベーカリー。私にひと時の幸せを、ありがとう」



お店に向かって、小さく呟く。



ポケットに入っている携帯が、振動から音に変わると私はすぐさま歩き始める。



本当に、また会う日まで。



元気に過ごしていることを、私は一番星に願います。



「ただいま」



黒い扉を開けば、そこは地獄の入口。



悪魔はすぐそこに、立っている。



手紙が入っている封筒を渡され、首を締め付けられる。



「覚悟は出来ているな……」