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夜の繁華街の路地裏。
血だらけの男たちが多数転がっている。
その中心に立つ、返り血を浴びている色素の薄い茶髪の美少年はにこにこと微笑んでいる。
その視線の先には、白銀の髪の美少年。
「……なにをしてる」
ぼそり、と呟く白銀の少年に、血濡れた少年はにこり、と笑みを絶やさずに言う。
「俺は貴方の忠犬です。
死ねといわれたら死にますし、殺せといわれたら殺します。
だって、貴方は俺の主人ですから」
怖くなるくらい、美しい笑みを浮かべる少年は、白銀の少年の部下であることは事実だった。
白銀の少年は、ふっと珍しい笑みを浮かべると、血濡れた少年に背を向ける。
「……命令だ。
お前は俺に嘘をつくな。俺の為だけに生きろ。俺の命令には忠実に従え」
「──はい。主人の赴くままに」
血濡れた少年は、右手を胸に当て、膝をつき頭を下げた。
それを見下した白銀の少年は、またもや笑みを浮かべると、次こそは去っていった。
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