「……他所で騒いで迷惑かけるのはかまわねぇが、俺に迷惑かけるな。」
俺様な考え。
我等が総長はそれがとてつもなく似合うから、困るんだ。
「美春は姫にするぞ。」
「勝手にしろ。俺には関係ない。」
腕を頭の後ろで組む流。
眠いのか、目を瞑っている。
「流くんはここの総長でしょ!?
なのに、関係ないなんて無責任すぎるよ!
岳くんや大志たちは仲間でしょ!?」
バンッ!と流の前のデスクを叩いた中川は、抗議する。
流は、ハッと嘲笑うと、椅子から立ち上がって中川を見下した。
こんなときに不純だが、流の笑顔は貴重だ。
そして、形のいい唇を動かす。
「俺が総長になったのは俺の意志じゃねぇ。
俺が無責任?
こいつらが仲間?
ハッ、笑わせるな。
俺は族ごっこに付き合ってる暇はねぇんだよ」
無口な彼が饒舌に喋る。
ちょっとイライラしてるな。
俺と千尋は顔を見合わせて、苦笑する。
勿論、岳たちには見えてない。