─ザァァァァァァァァァァ
その豪雨は、雨の中立つフードを被った少年を容赦なく打ち付ける。
周りには、血だらけの男たちが多数転がっている。
皆、意識はない。
黒いパーカーには目立たないが、返り血がついていることはよく分かる。
その証拠に、頬に少年のものではない血がついている。
「……弱いくせに喧嘩売ってくるからだ」
自業自得、と呟く少年は、パサッとフードをとると、空を仰ぐ。
雨が、額に、頬に、容赦なく打ち付ける。
「……ユト、どした」
「ヤト」
フラッと現れた黒髪の少年に名前を呼ばれた少年は、また、フードを被り直す。
「雨、やむといいね」
「……そう、だな」
柔らかい物腰で問う黒髪の少年に少年は返す。
その髪は、とても綺麗な、
────白銀だった。