初恋は苦い!?甘い?!

「あ、あのね、陽花…」







「ん?あ!健くんたちいた!おーい!」









「あ、うん…!」








下駄で走るのは慣れてなくて、
和菓子屋さんでバイトしてる陽花は慣れてるせいかすごく早い。








「きゃっ…」








ボスっ








「…大丈夫?郁ちゃんだよね?」









顔を上げると、想くんが不安そうにこっちを見ていた。









「想くん!ごめんね!」







「ううん。大丈夫だよ。…可愛いね、浴衣似合ってる。」







「…え、あ、あの、ありがとう…。」









まさかそんなにストレートに言われると思ってなくて、顔を伏せてしまう。







「あ、郁ちゃん、ここ混んじゃうし、先進もう?」






「…うん!」









想くんは自然と私の手を握って引っ張ってくれてて。
その手は暖かった。