初恋は苦い!?甘い?!

「でっさー、やっぱカラオケ来たわけだけど、二人っきりになりたいじゃん?だから、三部屋借りたんだよね。ってことで、かいさーん!」









そう言って麻耶と美緒ちゃん、陽花と健くんはそそくさと出ていった。



え?待って、

私知らない人と二人なの?







「あのー、」







「えっと…藍沢さん、だっけ?」







「あ、郁で大丈夫です。」







「じゃあ、郁ちゃん!なんか急に緊張するよね。俺もしてる。」







ニコニコしながら話す山岡くんは、天使のようだった。






「山岡くん、は、」







「想でいいよ〜。」







「想くんは、麻耶の友達なんだよね?」








「そうだよ。郁ちゃんは幼馴染みだっけ?」







「うん。」








「郁ちゃん、初恋まだなんだって?麻耶から聞いたよ〜。」








あいつ何話してんだよ。
全く知らない人に!!







「あー、うん、実はそうなんだよね〜…、遅いよね、」







「…僕もなんだ。初恋まだなの。」







「…へ?」







「なんか、周りの子いい子なんだけど恋愛感情はどうしても持てなくて。こんな年まで恋しなかったらさ、…ね。」








「…ふふ。想くんもだったんだね。私、麻耶にさんざん馬鹿にされてた。」







「僕もだよ。」








想くんと話すのは、初対面なのに、
すごく安心できて、話しやすかった。

なんか、お兄ちゃん、みたいな。




麻耶とは違う居心地の良さを感じた。