朝、起きる気にもなれず、やっぱり引っ越しの事を考えてしまう。

「玲音〜?何時まで寝てる気なの?もう10時近いわよ?」

僕の部屋に母さんが入ってきて僕を叩き起こすように言うけど、僕は布団をわざと深く被って機嫌悪そうに言ってみた。
「・・・母さんさぁ、僕に言う事ないの?」

「もしかして昨日の話聞いてた?」

「うん・・・。」

「じゃあご飯食べて来て?食べ終わったら話すから・・・。」

僕は仕方なく起き、下に向かって用意されてるご飯を静かに食べた。
お茶碗と箸の音だけが部屋中に響く。
一人でご飯食べるのは初めてだ・・・。
ちょっと悲しい気分になった。

「食べ終わったよ?早く教えて?」

僕は知ってたけど母さんの口から真実を聞きたくて母さんを急かす。
「じゃあここに座って、母さんの目をよ〜く見て?」
僕は母さんとテーブルを挟んで向かい合わせになり、母さんの目をジッと見つめた。