二人は時間を忘れるぐらい夢中になってままごと遊びに明け暮れていた。

「玲音〜!帰るよぉ。降りてらっしゃーい!」
母さんが下から大きな声で僕の名前を呼ぶ。
僕はいつも罰が悪そうに返事をする。
「はーい。今行くよ・・・。」

姫音ちゃんもガッカリしたような顔をしていた。
「もう、帰っちゃうの?送ってくね。」

姫音ちゃんと僕は階段を駆け降り、玄関で話を交す。まるで、いつもお別れするように。
「ねぇ?何か、玲音と姫音ちゃんって結婚しちゃっても良いんじゃない?」

母さん、それ冗談で言ってる?僕、本気にしても良いかなぁ?

「あら・・・。でもお似合いよね。幼馴染みって結構そういう関係になるものよね。」

笑いながら母さん同士は話しているので、イマイチ本当か分からない・・・。

「姫音、玲音君のお嫁さんになるぅ♪」

「あらぁ・・・。もう決定かしら!?ちょっとごめんなさい。主人が帰って来ちゃう!夕飯の支度しなきゃ!じゃあ今日はありがとうございましたぁ。今度はうちにいらっしゃいねぇ。さようならぁ!」
僕は自分の感情を抑え姫音ちゃんにバイバイを言って姫音ちゃん家を後にした。
姫音ちゃんそれ本気で言ってる?
僕・・・本気にしちゃうよ?