「なぁ、キスしていい?」
ゾワっ
な、何?
耳にあったかいものが少しだけ当たった、よね?
「あ…わり。なんか…失敗した。」
俊が、少しかがんでいた身体を起こして言った。
「失敗?」
「いや、耳元で囁いたらドキってしてくれるかな、つて思ったのに、初めてだったから失敗して…当たったろ?」
「俊がそんなこというと、違和感が…今までと違うから。」
「って言っているそばからリベンジ。
そんな俺にも慣れるよ…近いうちにな?」
「ひゃっ!…くすぐったい。」
「ククッ成功、だな。
『あ、アタシまだ、ドキドキしたとか言ってな―――』
真っ赤だぞ?」
いつの間にか俊はあたしの目の前に来てて…
顎クイしながら言った…
「じゃあ、キスしていい?」
「………ダメじゃないことが無いってこともないよ………?」


