デートの終わりにキスを1つ。


「梓水さぁ、いつまでそれ続ける気なの?」

渉とは家が近いためそのまま
話しながら帰路についた。

「わかんない。」

「わかんないってなんなの?」

「だって、わかんないんだもん。」

渉は不機嫌そうに携帯の画面から目を離して私と向き合った。
彼の目はいつも真剣で
見つめられるとそのまま食い潰されて
しまいそうになるから苦手だ。

嘘もつけなくなるし
逃げられなくなるから。