桜季くんの溺愛

「ねぇ雨宮さん、俺ね好きな人がいるの」






突然の発言




目を大きく見開いた彼女はその大きな瞳に涙をためたかと思うとグランド側の窓へ視線を向けてしまった。








「そーなんですか。




(当たり前だよね。こんなにかっこいい人に彼女がいないことすら不思議なのに好きな人すらいないなんてありえない。分かってたくせに。何を今さら悲しんでるの私は!)」





「うん。だからねどうしたらいいと思う?」





「(なんで私は好きな人に恋愛相談受けてるんだろう。もう泣きそうだよ。)



高くんならありのままで大丈夫なのでは?」





冷静を装って返答する陽葵を桜季は見透かして気づかれないよう笑みをこぼした。




「俺ね好きな子だけには優しいよ。」





「(こんな地味な私に優しい時点で彼の優しさはみんなに対するものだ)


高くんは誰にでも優しいかと」





「俺すっごく分かりやすいらしいよ」





「なら高くんが好きな人も高くんからの好意に気づいているのでは?」






「でもね、その子すっごく鈍感なんだよね。


俺の気持ちに全然気づいてくれないの。」





「じゃあ告白でもすればいいかと。




(だからなんでアドバイスなんかしちゃってるのよ私)」




「あぁそれもそーだね。


そーするよ。くく」




桜季は笑いが堪えられないと笑うが泣きそうな陽葵はそれに気づくはずもなく





「はい。がんばってください。」





思ってもないことを口にした。