「冗談冗談。で?どれ?」


先生は茶化したように笑いながらあたしに向き直った。

「えと、ここの主語と述語がわからなくて」


「あー。なるほどな、んじゃ最初から説明するな?」


指でテキストをなぞりながらあたしに説明する。


その手はとても長くて爪なんかあたしより断然きれい!


真剣な目…


さっきまでのふざけはどこに行った?ってぐらい…。


そう言って話してくれた説明は驚くほどわかりやすかった。




(す、すごい!こんなにわかりやすい説明初めて!)


「いけた?」


「はい!すっごいわかりやすかったです!本当にわかりやすかった。」


だって本当にわかりやすかったから。今までのどの先生よりも。