幾つか知っている名前もあって、でも由布自身とは何の関係もない人だ。何故だろうと思ったら、そう、ゆーまの口から友人の名前としてそれが出ていた。かと言ってその人たちと仲良くしようとまでは思わないけど、うん。ゆーまもこのクラスだったら良かったのに。

 仕事を終えて帰ろうとすると、この後職員室に行かなきゃいけないらしい美依に、無理しちゃダメだよ、と真剣な顔で言われた。

 気遣いはありがたいけどまだまだだ。由布は全然無理なんかしていない。

 彼女と別れてすぐ、由布はケータイを開けてゆーま宛てにメールを打った。

 ロッカー開けて靴履き替えてバレエシューズ風の上履きを戻して、くらいイマドキの学生なら片手で出来る。強いて言うなら、サイドの髪が落ちてくるのが防げなくて邪魔なだけ。そろそろ茶髪から黒に戻そうか。


TO:ゆーま 今からそっち行く。
TO:ゆー  分かった。
TO:ゆーま 何か欲しいものは?
TO:ゆー  ゆーにちゅーして欲しい。
TO:ゆーま ふざけんなバカ


【了】