TO:ゆー  ありがとう!
TO:ゆーま じゃー今度アイスおごって。
TO:ゆー  ごめん、そりゃ無理だ。


 だろうな。由布もそれは知っていて打ち込んだんだから。

 残り一人の美化委員はじゃんけんで決めたようだ。負けた子の苗字が黒板に書かれたところでロングホームルームが終わった。新学期が始まったばかりの今日は午前授業、さっきのが四時間目、ホームルームは委員会決めの前に終了、つまりこのまま帰っても良し。三時間目が終ったところでまとめておいた鞄を持ち、ぴゅーんと飛び出そうとした。


 ゆー、委員会のやつ名簿に反映させるの手伝ってくれる?

 これがなければ。


TO:ゆーま こっちもごめん。返事と会いに行くの遅れる。
TO:ゆー  気長に待ってるよ。


 美依は由布に黒板の内容を読み上げるのと名簿に書き込むののどっちが良いか選ばせ、由布は書き込む方を選んだ。まだ人が沢山いる教室で声を出すなんてまっぴらだ。
 
 有能で、名簿への反映なんか立候補を待つ間にちゃちゃっとやっちゃえるはずの美依は、わざと由布のためにこの仕事を残していたんだろう。

 厚生委員、ナントカ。広報委員、ナントカ。書いていくとクラスの構成が、黒板に貼り出された名簿を全く見ていなかった由布にも何となく分かる。